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① 酸素、アセチレン使用時の注意

酸素、アセチレンを使用する場合は、ボンベ台車に積むか置き場に固定して使用します。 そのときに注意しなければならないことは以下の通りです。

  1. チェーンで二本のボンベを倒れないようにするといった、転倒防止措置をとること。
  2. アセチレンボンベの安全弁、バルブの安全弁、バルブのガス出口を酸素ボンベに向けないこと。

万一、アセチレンボンベが火災にあったり、溶断の火花等で着火した場合は安全弁から猛烈な勢いで火災が噴出します。この火炎(約1,100℃)が酸素ボンベに直接当たると加熱されたボンベが爆発する危険性があります。下図のようにアセチレンを右側、酸素を左側に置くと万一火が噴いた場合でも酸素ボンベに火炎は当たりません。 あるいは、間仕切り板(遮へい板)を間に挟んでいただければより一層安全です。

酸素、アセチレン使用時の注意

② アセチレンガス容器の取り扱いについて

アセチレンガス容器による事故があいかわらず発生しております。特に現場作業中の事故が多く、「安全弁破裂による火災事故」「容器転倒による発火事故」「逆火による容器爆発事故」など、ちょっとした不注意が大事故につながります。是非下記事項を厳守して頂き、事故を起こさないよう注意してください。

アセチレンガス容器の取り扱いについて

  1. 使用前には、必ず石鹸水等でガス漏れの検査をすること。(保安法規則第60条13号)
  2. 容器の転倒防止を行うこと。(保安規則第60条2号)
    ※現場作業時も必ず行って下さい。
  3. 現場作業では、容器に防炎シート等で、火の粉の防止を必ずすること。
  4. ホースのヒビ割れチェックを行い、不良品は使用しないこと。
  5. 逆火防止器を必ず取り付けること。(保安法規則第60条13号)
  6. 規定の消火器を必ず置くこと。(保安法規則第60条12号)
  7. 酸素・アセチレンガスを使用して溶断作業を行う時は、ガス技能講習修了者(修了証の交付を受けた者)であること。(労働安全衛生法施行令第20条第10号)

③ 超低温容器の上手な使い方

液化酸素(-183℃)、液化窒素(-196℃)、液化アルゴン(-186℃)の超低温容器は、真空断熱構造になっておりますが、完全な断熱ではありません。使用量が少ない場合、或いは連休等で数日間使用しない場合、容器内の液化ガスは、外気の熱侵入によりガス化し容器内圧を上昇させます。

このままにしておくとさらに圧力が上がり、約1.8Mpaで安全弁が容器の破裂を防ぐ為に作動し、ガスが噴出します。安全弁は繰り返し作動させると、吹き止まりが悪くなりガスが止まらなくなります。夜間に作動した場合、かなり大きな音がして周囲に迷惑をかけます。又、ガスの損失にもなります。安全弁は万一の場合の危険を防止する為に作動させるものです。このような超低温容器の特性をご理解頂き、安全弁を作動させないように使用してください。

次のような 方法を試してみて下さい

A. 使用量が少ない場合
  1. 容器に向かって左の弁(液取出弁)を閉じ、右の弁(上部充填弁)を開けてガス状で使用する。
  2. 内圧が下がり過ぎて供給量が不足の場合は、昇圧弁(保圧弁)を開けて使用する。
B. 連休等で数日間使用しない場合
  1. 休日数に合わせて内圧の上昇を予測し、ガス放出弁より時間をかけて内圧を下げる。(納入後日数が経過しているもの程、液温が上がっているので時間をかけて内圧を下げる。)
  2. 出来るだけガスを放出したくない場合は休日前に、使用する時液取出弁を閉じ、上部充填弁を開け内圧のガスを使用することにより内圧及び液温を下げてやる。 必要圧力以下になる場合は通常の使い方にする。

④ 超低温容器の安全管理

近年LGCは一般に広く使用されていますが、万一工場が火災した場合の危険性はどうなのかを検討し、火災現場におけるLGCの消火活動或いは、容器管理に関して学習する必要があると思われます。

1. 火災現場におけるLGCの状況

火災現場にLGCが有る場合、高熱により容器上部のプラスチック製の液面が溶けて燃える。バルブシートが燃えバルブからガスが洩れ出す。次に外槽安全弁銅板(0.3MPa設定)が変形破損し、そこから空気が入り真空断熱は無くなるが内槽は断熱材で幾重にも覆っており、かなりの断熱性能を有しており液が一挙にガス化することはないが、かなりガス化が進むと考えられる。容器内圧が上昇すると、液化酸素・窒素・アルゴンは1.8MPa、液化炭酸ガスは3.2MPaで安全弁が作動する又は、破裂式安全弁銅板が2.7MPa、4.1MPaで作動し、内圧を下げるので内槽が爆発(約9.8MPa)することは無く液が空になるまでガスを吹き出し続けるものと推測されます。

2. 消火活動

LGCを放水で冷却しながら消火器等で周囲の火災を消火し、LGCが加熱されない状況になれば、冷却の必要は無い。(表面が水で濡れている状態。)ガスが安全弁或いは放出弁から噴出していてもそのまま噴出させておく。最後に容器上部のバルブを全て締め直す。(金属当たりとなり洩れは減少する。)

〔注意事項〕

  • 容器は必ず立てた状態にしておく。
  • 転倒している場合は起こす事。
  • ※容器が転倒した状態では、通常外気温で容器上部の接続部が液化ガスと接触し気化器の作用をし急激なガス化を起こし内圧が上昇し、安全弁、破裂板から激しくガス、液が噴出し大量のガスが短時間に放出され危険である為。
    特に液化酸素は大量の酸素ガスを発生し、周囲の可燃物との混合により爆発する可能性がある。

3. 容器の管理

  • 液化酸素容器の周囲2mには引火物、可燃物は絶対に置かない。
  • 容器は風通しのよい場所に置く。特に液化酸素は屋内に置かない。
  • 容器内圧は、常に管理して下げておく。特に連休前は通常より0.3MPa位低めにしておく。
  • 転倒防止を必ずしておく。

⑤ LPガス機器の安全装置の役割

LPガス機器の安全装置の役割